Article
分子配向が有機バルクヘテロ接合太陽電池に及ぼす影響
Nature Photonics 8, 5 doi: 10.1038/nphoton.2014.55
バルクヘテロ接合有機光起電力デバイスでは、重要な光物理的過程が起こる光活性層において、電子供与材料と電子受容材料が分散型ヘテロ界面ネットワークを形成している。しかし、界面の三次元配置が複雑であり、局所秩序を測定する手法がほとんどないため、界面の構造特性についてはほとんど分かっていない。今回我々は、フラーレン系高性能バルクヘテロ接合太陽電池を実現する際、ドナー(供与体)/アクセプター(受容体)ヘテロ接合に対する分子配向が重要なパラメーターであることを報告する。我々は、共鳴軟X線散乱を用いて、分子配向度、つまりヘテロ界面に対するフェイス・オン(+1)配向またはエッジ・オン(−1)配向を表す秩序パラメーターを評価している。さらに、分子の化学的性質や処理溶媒の特性の選択を通して分子配向度を操作することによって、電子供与性高分子PNDT–DTBT、PBnDT–DTBT、PBnDT–TAZを用いたバルクヘテロ接合有機光起電力デバイスの性能に、この構造パラメーターが重要であることを示すことができた。