強い注入X線場の摂動を受けた軟X線レーザー増幅器の利得ダイナミクス

高次高調波による軟X線プラズマ増幅器のシーディングによって、完全な空間コヒーレンスと時間コヒーレンスを持つ高輝度軟X線レーザーパルスが発生することが実証されている。さらに、注入したコヒーレント場と掃引利得媒質の相互作用のモデルが作られている。しかし、強い外部シード場による摂動を受けた場合の、利得ダイナミクスを調べる実験はまだ行われていない。今回我々は、強い軟X線超短パルスの摂動を受けたプラズマ増幅器の非線形応答に関する初めてのX線ポンプ–X線プローブ測定を報告する。我々は、衝突励起したニッケル様モリブデンプラズマ中へ時間遅延した2つの高次高調波パルス（λ＝18.9 nm）を連続して注入し、高次高調波ポンプの飽和増幅によって生じた利得の低下とその後の回復を、フェムト秒分解能で測定した。1.5～1.75 psの高速利得回復が測定されたことから、プラズマ増幅器のチャープパルス増幅によって、超高強度で完全に位相コヒーレントな軟X線レーザーを発生できる可能性が確かめられた。