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場で制御される束縛状態による位相整合したコヒーレント真空紫外光の発生
Nature Photonics 8, 6 doi: 10.1038/nphoton.2014.83
高次高調波や(1 MHzを超える)超高繰り返し率アト秒パルスの発生は、超高速分光法に変革をもたらすと期待される。そのような真空紫外(VUV)光源や軟X線源は、フェムト秒発振器からのレーザーパルスのプラズモニック増強によって直接駆動される可能性がある。しかし、最近の実験で、VUV信号が実際にはインコヒーレントな原子線発光によって支配されていることが示唆された。今回我々は、しきい値未満で位相整合高調波を発生させる新しい領域を実証している。この領域では、原子標的の共鳴構造付近でのみ、発生と位相整合が可能になる。コヒーレントVUV線発光は、発散が小さく、ターゲット密度を1,000 torr mm付近まで増加させると二次の増加を示し、強度わずか約1 × 1013 W cm-2の数サイクル駆動レーザーのサブサイクル場によって制御できる。この強度であれば、ナノジュールエネルギーの数サイクルフェムト秒発振器から直接実現できる。