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テラヘルツレーザー周波数コム

Nature Photonics 8, 6 doi: 10.1038/nphoton.2014.85

テラヘルツ光を使えば、多数の複雑な分子を同定することができる。しかし、広帯域で高出力の光源がないため、テラヘルツ光はこれまで利用されていなかった。パルスレーザーを使えば広帯域の放射を作ることができるが、パルスレーザー光源はかさばり、平均出力は数マイクロワットにすぎない。逆に、テラヘルツ量子カスケードレーザーは、小型の半導体光源であり、高出力のテラヘルツ放射を作れるが、放射は狭帯域で複雑な分光には適さない。今回我々は、テラヘルツ量子カスケードレーザーに基づく周波数コムを実証している。この周波数コムは、レーザーの高出力とパルス光源の広帯域能力を兼ね備えている。我々は、こうしたレーザーが備えている、量子力学的に広帯域化された利得スペクトルを十分に利用することにより、70のレーザー発振線にわたって広がる出力5 mWのテラヘルツ放射を得ることができた。この放射は、ショットキーダイオードミキサーで十分に検出できるほど強く、小型のテラヘルツ分光計の実現につながるだろう。

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