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in situ非線形光子変換による光線力学的治療法
Nature Photonics 8, 6 doi: 10.1038/nphoton.2014.90
光線力学的治療法では、光が治療薬剤(光感受性物質)に吸収されて、活性酸素を発生し、次いでこの酸素が局所的に異常細胞を殺す。今回我々は、近赤外レーザー光と生体媒質との非線形光学相互作用によって、光感受性物質の吸収帯内に入る光をin situで生成する新しい形の光力学的治療法を報告する。近赤外光を使い、続いてこれを可視光や紫外光へアップコンバージョンすることにより、深部組織へ到達できるようになり、治療の大きな障害が克服される。モデリングと実験によって、コラーゲンにおける第二高調波発生と、細胞の生体分子によって生じるコヒーレント反ストークスラマン散乱を含む四波混合を使った近赤外レーザー光のin situ非線形光学アップコンバージョンによる、既知の光感受性物質クロリンe6の活性化を実証した。コヒーレント反ストークスラマン散乱/四波混合を光線力学的治療法にin vitroで導入すると、二光子光線力学的治療法のみの場合と比べてその効率が2倍に高まり、同時に第二高調波発生が5倍に増える。