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グラフェン変調器およびグラフェン非可逆デバイスの基本的限界と最適に近い設計
Nature Photonics 8, 7 doi: 10.1038/nphoton.2014.109
最近の変調器、偏光回転子、アイソレーターの実証によって、グラフェンをフォトニクスに応用できることが示された。こうした有望だが予備的な結果から、「設計の複雑化によって達成できる最適性能は何か。この最適性能を実際に達成する方法は何か」という重要な疑問が生じる。今回我々は、上記デバイスの関連性能指数には絶対的な理論上限があることを初めて実証することによって、この疑問に答えている。注目すべきことは、これらの限界がグラフェンの導電率テンソルだけに関係していることである。従って、波長やグラフェンの質に応じて実現可能な最高デバイス性能など、本質的なロードマップ情報を得ることができる。次に、開発した理論、物理的知見、詳細なシミュレーションに基づいて、基本的限界に非常に近い構造を設計する方法を提示し、著しい改善の可能性を示している。こうした結果は、グラフェンなどの二次元材料を用いた変調器、偏光回転子、アイソレーターの設計に極めて重要になると考えられる。