広帯域高分解X線周波数コム

光周波数コムは、精密分光に著しい影響を及ぼしてきた。この技術がＸ線領域で実現できれば、天体物理モデルや量子電磁力学の厳密な検証、基本定数の変動のより感度の高い探索、原子核構造の精密研究など、幅広い応用につながると期待されている。超精密X線原子時計も想定されるかもしれない。本論文では、超短高周波パルスの吸収スペクトルにコムを生成するX線パルス整形方法を提案する。この方法は、光周波数コムレーザーを利用して、系の双極子応答を操作し、高光子エネルギーの励起遷移にコムをインプリントするものである。今回報告した方式は、現在探求されている方法よりも、コム周波数が高く必要な光コムピーク強度が低い。また、光コムの全幅が維持され、現在利用できるX線技術を用いて実現できる可能性がある。