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自由電子レーザーに対するX線の相対到達時間のサブフェムト秒精度の測定
Nature Photonics 8, 9 doi: 10.1038/nphoton.2014.164
今日の最も輝度が高いコヒーレントX線源であるX線自由電子レーザーは、超高速X線パルスを発生し、半値全幅が約3 fsという短いパルス幅が測定されている。そうした短いパルスの需要は著しく高まっており、現在光学的タイミング技術によって誤差が約10 fs rms以下のX線/光遅延が報告され始めている。その結果、線形加速器コヒーレント光源(LCLS)のX線ビームラインにおいてサブ10 fs光パルスが実現しているため、X線/光遅延測定の誤差を1 fsレベルまで低減する努力が必要になっている。今回我々は、相対X線/光遅延に関する独自の二次元スペクトログラム測定を報告する。今回の相対遅延測定は容易に拡張でき、その時間分解能はサブ1 fsで、これまでの手法を既に1桁上回っている。この手法によって、アト秒の分野に対する時間分解X線測定の可能性が開かれる。