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マルチフェロイック酸化物太陽電池のバンドギャップ制御

Nature Photonics 9, 1 doi: 10.1038/nphoton.2014.255

マルチフェロイック膜は、強誘電分極によって効率良くキャリア分離が促進され、バンドギャップより高い光起電力が発生するため、太陽エネルギー変換に応用する研究がますます盛んになっている。原理的には、こうした特徴によって、従来型のシリコン系バイポーラヘテロ接合太陽電池で報告されている最高値(約34%)を超えるエネルギー変換効率が実現される可能性がある。しかし、これまで報告された変換効率はまだ低すぎる(2%未満)ため、商業化の検討ができない。今回我々は、Bi2FeCrO6において陽イオン秩序化を行うことによって、ダブルペロブスカイト・マルチフェロイック酸化物のバンドギャップを効果的に制御する新しい手法を実証している。また、この手法を用いて、多層構成のBi2FeCrO6薄膜太陽電池において、AM 1.5 G(100 mW cm-2)照射下で電力変換効率8.1%を実現したことを報告する。

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