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効率が9%を超える小分子太陽電池

Nature Photonics 9, 1 doi: 10.1038/nphoton.2014.269

現在、最先端の単一接合有機光起電力デバイスの電力変換効率は、ポリマー系デバイスで9%を超え、小分子系デバイスで8%を超えている。今回我々は、DRCN7Tを用いて溶液プロセス法で作製した有機光起電力デバイスについて報告する。DRCN7Tは、骨格として7つの共役ユニットからなるオリゴチオフェンに似た小分子を、末端ユニットとして2-(1,1-ジシアノメチレン)ロダニンを持つ分子である。アクセプターとして[6,6]-フェニルC71-酪酸メチルエステル(PC71BM)を用いた場合に、最適化された電力変換効率9.30%(認証効率8.995%)が達成されている。また、このDRCN7T系デバイスは、100%近い内部量子効率を示す。我々は、こうした高い内部量子効率が得られたのは、ナノスケールのドナー/アクセプター相互貫入ネットワークを最適化し(結晶性の高いドナーファイバーの直径が約10 nmで、有機材料中の励起子拡散長に近い)、高効率電子輸送層を使用したためであると考えている。

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