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反強磁性体における光の任意の偏光状態の書き込みと読み出し

Nature Photonics 9, 1 doi: 10.1038/nphoton.2014.273

光と磁性の相互作用は、エネルギー効率の良いデータ蓄積技術を開発する有望な手段と考えられている。しかしこれまで、超高速光磁化制御は、2値プロセスに限られていた。このプロセスでは、2つの偏光状態のどちらかにある光が、正負のどちらかの磁化を保持する磁気ビットを作る(書き込み)か、磁気ビットによって光が偏光状態をとる(読み出し)。今回我々は、状態が2つだけという基本的な制限を克服し、光の任意の偏光状態を磁気的に書き込むことができるようにする方法を報告する。この効果は、3副格子反強磁性体六方晶YMnO3を使って実証された。その3つの磁気振動固有モードは、光の3つの偏光固有状態によって選択的に励起される。次に、この磁気振動状態は、光プローブパルスの偏光状態に読み戻され、任意の光マグノン書き込み・読み出しサイクルが完成する。

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