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構造化された散乱による強化された光トラッピング
Nature Photonics 9, 10 doi: 10.1038/nphoton.2015.160
干渉法は、光の方向を完全に変えることができ、制御可能ない光学力を実現できる可能性がある。しかし、微小粒子は、自然には干渉法のビームスプリッターのようにはふるまわず、微小粒子からの光の散乱によって、効率の高い干渉が可能になるとは一般的に考えられていない。むしろ光トラッピングは、入射場の偏向によって実現されることが多い。今回我々は、適切に構造化された入射場は、ビームスプリッターに似た散乱粒子との相互作用を実現できることを示す。この結果実現されたトラップによって、位相のみの構造化に制限しても、通常の1軸のガウストラップよりも1桁高いスティフネスが得られる。我々は、3.5~10.0 μmのシリカ球のトラッピングを実証し、ガウストラップを使って可能だったよりも、最大で27.5 ±4.1倍高いスティフネスを実現し、2桁高い信号対雑音比の測定結果を得た。こうした結果は、細胞操作、流体力学、マイクロロボット工学、基礎物理学の検証など、多くの応用と密接な関連がある。