オンチップ・ゼロ屈折率メタマテリアル

屈折率ゼロのメタマテリアルは、位相速度や波長が無限大になるなどの物理的特性を示す。しかし、こうしたメタマテリアルをフォトニックチップ上に実装する方法がないため、ゼロ屈折率現象の研究と応用は、単純形状や小規模なものに限られている。我々は、光領域で屈折率がゼロとなるオンチップ集積メタマテリアルを設計し作製した。光はこのメタマテリアルでできたプリズムのファセットに対して垂直に屈折し、屈折率がゼロであることが直接実証された。このメタマテリアルは、低アスペクト比のシリコンピラーアレイをポリマーマトリックス内に埋め込んで金膜で被覆したものである。この構造は、標準的なプレーナープロセスを用いて任意の形状に大面積で作製でき、フォトニック集積回路などの光学素子と高い効率で結合できる。今回の新しいオンチップメタマテリアル・プラットフォームは、ゼロ屈折率物理と集積光学におけるその応用への道を開くものである。