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心臓組織における興奮波の光学制御

Nature Photonics 9, 12 doi: 10.1038/nphoton.2015.196

自然界では、化学反応、金属の錆、酵母、アメーバ、心臓と脳などさまざまな状況で、巨視的な興奮波が見られる。生きた生物組織の場合、こうした興奮波が形成する時空間パターンは、健康な状態と病的な状態では異なっている。波を変調する最新の電気的方法や薬理学的方法は、こうしたパターンの制御に必要な時空間精度が不足している。光学的方法には、こうした限界を克服できる可能性があるが、今日までベロウソフ・ジャボチンスキー化学反応など簡単な系でしか実証されていない。今回我々は、色素を使わない光学イメージングと光操作を組み合せて、心臓の興奮波の動的制御を実現した。パターン化した光を照射すると、心臓組織における興奮波の方向、速度、らせんキラリティを光学的に制御できることが実証された。この全光学的方法によって、生物の複雑な興奮系におけるパターン形成を調べ、制御する新しい実験プラットフォームが得られる。

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