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空間多重自由空間通信の容量限界
Nature Photonics 9, 12 doi: 10.1038/nphoton.2015.214
単位帯域幅当たりの情報容量の増大は、科学技術の永遠の目標である。波長や偏光、ごく最近では空間など、独立した自由度を多重化することは、無線周波数通信と光通信のいずれにも適した大容量化方法であった。最近発見された電磁波の物理的性質である軌道角運動量が、従来の多重化技術を超える容量を達成するための新しい自由度として提案され、科学界において大きな関心を広く集めている。しかし、軌道角運動量多重化の最大容量は、確定されても、他の多重化技術と比較されてもいない。今回我々は、軌道角運動量多重化が、自由空間チャネルの容量限界を決定づける最適な技術というわけではなく、従来の多入力多出力見通し伝送や空間モード多重化より優れているわけでもないことを示す。