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衝突イオン化ゲーティングによる卓上のフェムト秒軟X線レーザー

Nature Photonics 9, 12 doi: 10.1038/nphoton.2015.225

X線自由電子レーザーの出現によって、ナノメートルスケールの物質の超高速ダイナミクスを利用するこれまでにない機会が得られるようになった。小型であることは別として、シードプラズマを用いる軟X線レーザー(SXRL)は、高品質の光学特性を示す強度の高い光子源(1パルス当たり最大1015個)として魅力的であることが分かった。これまで、こうした光子源の持続時間はピコ秒の範囲に限定されていたため、応用分野が制限されていた。このボトルネックは、前もって光学的に形成したプラズマ導波路に導かれた超高強度赤外パルス(数1018W cm-2)によって生成される高密度プラズマにおける超高速衝突イオン化を通した利得のゲーティングによって克服された。3×1018 cm-3から1.2×1020 cm-3までの範囲の電子密度に対して、利得の持続時間が7 psからこれまでにない値の約450 fsへ短縮されるのが測定された。今回の結果は、これまで大規模施設でしか利用できなかった性能を持つ小型の超高速SXRLビームへの道を開くものである。

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