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円二色性実験用の卓上型極端紫外超短パルス光源

Nature Photonics 9, 2 doi: 10.1038/nphoton.2014.314

極端紫外域における円二色性は、キラル種の分子光イオン化から固体の磁気特性まで、物質の高感度構造プローブとして広く利用されている。そうした手法の動的領域への拡張が、固体物理や物理化学の分野で長年にわたって探求され、つい最近、フェムト秒極端紫外円偏光光源が開発されたことで実現された。しかし、現在そうしたパルスを生成できるのは、フェムトスライス・シンクロトロンや自由電子レーザーなどの数か所の大型施設だけである。今回我々は、小型で利用しやすい新しい代替光源を実現する手段として、楕円偏光レーザーパルスの共鳴高次高調波発生を提案する。我々は、単純な光学装置を用いたこのプロセスによって、高輝度極端紫外コヒーレント準円偏光超短パルスが発生することを示す。また、この光源を用いて、キラル分子の光電子円二色性を測定している。今回の結果は、卓上でのフェムト秒およびアト秒の時間分解キロプティカル実験への道を開く。

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