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メタマテリアル系非線形フォトニック結晶で光を制御する
Nature Photonics 9, 3 doi: 10.1038/nphoton.2015.17
ブルームバーゲンらによって非線形光学相互作用に関する画期的な論文が発表されてから、非線形光学分野は、光学スペクトル全体にわたってコヒーレント光を発生させる並外れた機能を実現するなど、光学関連の科学や応用に大変重要な貢献をしてきた。最近、人工的な有効非線形性を示すメタマテリアルという新種のナノ構造光学材料が実証された。その非線形出力を制御することによって、全く新しい基礎研究領域が開かれ、効率が高い超小型の能動型集積非線形光学デバイスの開発につながる可能性がある。今回我々は、初のメタマテリアル系非線形フォトニック結晶を作って、メタマテリアルからの非線形発光に対して前例を見ないほどの制御を行ったことを実験的に示している。具体的には、非線形回折と全光学的走査を行うことによって、メタマテリアルからの非線形出力の超広角走査が可能になることを実証している。また、メタマテリアルから直接得た非線形信号を強く集束すると、強度が2桁近く増大することも実証している。