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効率と光起電力の高い単一接合型ポリマー太陽電池
Nature Photonics 9, 3 doi: 10.1038/nphoton.2015.6
ポリマー太陽電池は、室温溶液プロセスによって作製できる、機械的に柔軟な大面積・軽量デバイスを実現するのに有望であるため、楽しみな次世代型光起電デバイスである。タンデム型ポリマー太陽電池では、約10%という高い電力変換効率が既に報告されている。今回我々は、原子価エネルギー準位を深くした新開発の半導体ポリマーで作製した高性能光活性層において、テイル状態密度を電子アクセプターの伝導帯より低くすることによって、単一接合型デバイスでも同等の効率を実現できることを報告する。バンドテイリングの制御は、活性層の組成とブレンドの構造秩序(いずれも太陽電池の動作に重要な要素であることが分かっている)を変化させることによって行っている。今回の手法で、高い電力変換効率(認証効率約9.94%)と高い光起電力の太陽電池が得られた。