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導波路に集積された応答性が高く暗電流が小さい黒リン光検出器

Nature Photonics 9, 4 doi: 10.1038/nphoton.2015.23

層状の二次元材料は、新しいオプトエレクトロニクス特性を示し、平面フォトニック回路への集積に適している。例えばグラフェンは、広帯域の光検出に利用されている。しかし、グラフェンはバンドギャップを持たないので、グラフェン光検出器の暗電流は非常に大きい。対照的に、最新の二次元材料である層状の黒リンは、狭いものの有限のバンドギャップを持つため、光検出器への応用には理想的である。今回我々は、近赤外通信波長帯で動作するシリコンフォトニック導波路に集積された、ゲート付多層黒リン光検出器を実証している。黒リン光検出器は、バイアス電圧をかけて動作させても暗電流が極めて小さいことがグラフェンデバイスに対する大きな利点であり、11.5 nm厚のデバイスでは最大135 mA W−1の、100 nm厚のデバイスでは最大657 mA W−1の固有応答性が室温で得られる。光電流のほとんどは、3 GHzを超える広い応答帯域幅の光起電力効果によるものである。

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