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結合したフォトニック結晶ナノレーザーにおける鏡像対称性の自発的破れ

Nature Photonics 9, 5 doi: 10.1038/nphoton.2015.65

多重共振器フォトニックシステムは、フォトニック分子とも呼ばれており、先端的な量子光学デバイスや非線形光学デバイスに役立つ可能性のある多重井戸型ポテンシャルを示す。二重井戸型ポテンシャルで生じる主要な現象は、反転対称性の自発的破れであり、互いに鏡像となる井戸中の2つの局在状態への遷移を伴う。マイクロフォトニックシステムやナノフォトニックシステムにおける鏡像対称性の破れを扱った理論研究はいくつかあるが、実験的証拠はこれまで報告されていない。今回我々は、2つの結合したフォトニック結晶ナノレーザーからなるフォトニック分子において、ピッチフォーク分岐による鏡像対称性の自発的破れを実証している。局在状態を短パルスで切り替えることによって、局在状態の共存が示された。これにより、スケーラブルな超小型集積光フリップフロップの実現に向けて興味深い見通しが得られる。解析結果は、そうした対称性の破れは少数の共振器内光子で可能になるはずなので、量子相関デバイスに適していることを示唆している。

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