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小型広帯域オンチップ波長分波器の逆設計と実証
Nature Photonics 9, 6 doi: 10.1038/nphoton.2015.69
集積フォトニックデバイスは、光インターコネクトや光センサーから量子コンピューティングまで、さまざまな応用分野において重要な役割を果たそうとしている。しかし、半解析的に設計されたデバイスは、現時点では少数しか知られていない。今回我々は、逆設計法を用いて、作製されるデバイスの全設計空間を探索でき、これまで得られなかった機能性や高い性能とロバストネスを持ち、従来のデバイスよりも面積が小さいデバイスを設計できることを実証する。我々は、入力導波路から入力される1,300 nmと1,550 nmの光を分波して、2つの出力導波路に出力するシリコン波長分波器を設計し、このデバイスを数個作製して評価した。作製したデバイスは、低い挿入損失(約2 dB)、低いクロストーク(-11 dB未満)、広い帯域幅(100 nmを超える)を示した。また、デバイス面積がわずか2.8 × 2.8 μm2であるため、このデバイスは最も小さい誘電体波長スプリッターとなる。