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測定デバイスに依存しない高レート量子暗号

Nature Photonics 9, 6 doi: 10.1038/nphoton.2015.83

量子暗号は、物理学の基本法則を利用することにより、秘密鍵を遠距離に配送するという難しい課題を達成する。現在、量子暗号の研究は、スケーラブルで安全な量子ネットワークを作るという現実的な問題の解決に向かっている。この方向への大きな一歩が測定装置無依存性の導入であり、この方法では、二者間の秘密鍵共有は信頼できない中継装置での測定によってなされる。量子ビットを使った測定装置無依存量子鍵配送プロトコルは長距離配送が可能であるものの、残念ながら、その鍵レートは、非常に低いことが多く、大都市ネットワークの要求には適していない。今回我々は、連続変数系を使用して解決が可能であることを理論的かつ実験的に示す。我々は、大都市内を結ぶのに必要な距離で著しく高い鍵レートを達成できる、コヒーレント状態ネットワークプロトコルを設計した。鍵レートは、これまでに達成されているよりも3桁高い。我々のプロトコルは、隣接するアクセスポイントやプロキシーサーバーにさまざまなデバイスが安全に接続する、高レート量子ネットワークの構築に利用できる可能性がある。

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