Article
原子レベルの薄さのWS2層における反転分布と巨大バンドギャップ繰り込み
Nature Photonics 9, 7 doi: 10.1038/nphoton.2015.104
非常に短い時間スケールで物質の光学特性を制御することは、基礎的に興味深いばかりでなく、フォトニクスへの応用に非常に重要である。その際、最小限の量の物質を用いて、幅広いスペクトル範囲にわたって顕著な変化をもたらすことが望ましい。今回我々は、高強度光ポンプパルスで励起した後、原子レベルの薄さの遷移金属ダイカルコゲナイドWS2の二次元結晶の光学応答が、フェムト秒の時間スケールで数百meVのスペクトル範囲にわたって劇的に変化することを実証している。今回の知見から、極端に強いクーロン相互作用の役割が明らかになった。また、直接ギャップにおいて、約500 meVの巨大バンドギャップ繰り込みと反転分布の発展を伴う、励起子状態から自由キャリアへのモット転移を観測した。