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30 GHz帯域幅のグラフェン電気光学変調器

Nature Photonics 9, 8 doi: 10.1038/nphoton.2015.122

グラフェンは、その高いキャリア移動度と広帯域吸収特性によって、超高速広帯域電気光学デバイスが実現可能になると見込まれるため、電気光学材料として特別な関心を集めている。しかし、これまでに報告されたグラフェン電気光学変調器は、妥当な電圧振幅を実現するのに大きなキャパシタンスが必要であるため、帯域幅が数GHzにとどまっていた。今回我々は、臨界結合時の共振器損失変調に基づくグラフェン電気光学変調器を実証し、大幅な高速化と高効率化を達成したことを示す。我々の変調器は、帯域幅30 GHzかつ10Vで15 dBという最高水準の変調効率で動作する。また我々は、グラフェン変調器で初の高速大信号動作も示している。この結果は、このプラットフォームを用いた高速デジタル通信への道を開くものである。今回の変調器は、通常なら完全な受動材料プラットフォームである窒化シリコン導波路を独特な形で利用しており、超低損失広帯域構造体や非線形光学素子への応用が期待される。

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