Review Article

エピジェネティックタンパク質ファミリー:創薬の新しい領域

Nature Reviews Drug Discovery 11, 5 doi: 10.1038/nrd3674

遺伝子発現のエピジェネティックな調節は、細胞の正常な表現型を規定するだけでなく、ヒトの疾患にも関与するダイナミックで可逆的なプロセスである。分子レベルでは、エピジェネティックな調節には、DNAの階層的な共有結合性の修飾やヒストンのようなDNAを折りたたむタンパク質が含まれる。本稿では、ヒストンをアセチル化もしくはメチル化することでエピジェネティックなシグナル伝達を介在する主なタンパク質ファミリー:ヒストン脱アセチル化酵素、タンパク質メチル基転移酵素、リジン脱メチル化酵素、ブロモドメインを含むタンパク質、メチル化ヒストンに結合するタンパク質、などについて概観する。これらのタンパク質ファミリーは、医薬品となりうる酵素群、医薬品になりうるタンパク質間相互作用のドメイン群として注目されている。本稿ではさらに、疾患との関連性、作用の分子機序、各種タンパク質の薬理学的修飾する最新の開発状況についても述べる。

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