Review Article 前駆タンパク質転換酵素の生物学的知見と治療標的 2012年5月1日 Nature Reviews Drug Discovery 11, 5 doi: 10.1038/nrd3699 哺乳類の前駆タンパク質転換酵素は9種類の分泌型セリンプロテアーゼでファミリーを成しており、これらの酵素は細菌由来のズブチリシンおよび酵母由来のケキシンと近縁である。これらのうち7種[プロタンパク質転換酵素1(PC1)、PC2、フリン、PC4、PC5、塩基性アミノ酸残基対開裂酵素4(PACE4)およびPC7]は1つもしくは対の塩基性残基を開裂することで、細胞性あるいは病原性の前駆タンパク質を活性化する。一方で、ズブチリシン-ケキシンアイソザイム1(SKI-1)および前駆タンパク質転換酵素ズブチリシン-ケキシン9(PCSK9)は、非塩基性残基の開裂や受容体の分解を誘発することで、コレステロール/脂質の恒常性を調節する。最近、前駆タンパク質転換酵素は、強力で新しい治療法の開発における有望なターゲットと考えられている。本稿では、前駆タンパク質転換酵素の生理学的機能と病理学的重要性を要約して述べる。また、治療法への応用や特定の病状における検証も含め、活性をコントロールするために提案された治療戦略について検討する。 Full text PDF 目次へ戻る