Review Article
ムスカリン性アセチルコリン受容体:新しい薬剤開発の機会
Nature Reviews Drug Discovery 13, 7 doi: 10.1038/nrd4295
ムスカリン性アセチルコリン受容体は、中枢および末梢神経系の数々の基本的機能を調節するGタンパク質共役型受容体群のサブファミリーである。ここ数年、ムスカリン性受容体の生理学、薬理学および構造に関して前例のない新たな洞察がもたらされている。こうした進歩としての例としては、ムスカリン性受容体の不活性型と活性型の両方のコンホメーションの構造的知見が初めて得られたことや、ムスカリン性受容体のアロステリック調節作用を持つ物質による調節の分子基盤の知識が向上したことなどがある。最近のこうした発見は、さまざまな重篤な病態生理学的状態の治療に役立つ可能性が示されている、新しいムスカリン性受容体サブタイプ選択的リガンドの開発を促進するはずだ。