Review Article

インフルエンザウイルスのワクチン開発における進展

Nature Reviews Drug Discovery 14, 3 doi: 10.1038/nrd4529

インフルエンザウイルス感染症は公衆衛生上の大きな懸念であり、世界中の罹患率および死亡率を高めている原因である。既存のインフルエンザウイルスワクチンは感染に対する対抗手段として有効だが、ウイルスの抗原連続変異のために、ほぼ毎年のようにワクチンを再設計する必要がある。さらに、既存のワクチンでは新規なパンデミック株を防ぐことはできず、パンデミックワクチンの適時生産は今のところ技術的な制限のために難しい。最近では、季節性ワクチンとパンデミックワクチンによって誘導される免疫防御を増強するための、また、パンデミックの際にワクチンの生産スピードを上げるための改良がいくつかなされている。インフルエンザウイルスに対する、広範もしくは万能(universal)でさえある防御を誘導するワクチンコンストラクトが、現在、前臨床および臨床開発段階にあるのは重要である。

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