中枢神経系疾患のエピジェネティック薬の開発見通し

中枢神経系（CNS）での遺伝子発現を制御するエピジェネティックな機構とその神経精神疾患における役割の解明が次々と進み、神経精神疾患のエピジェネティック的基盤からの回復に着目した新しい治療法への道が開かれてきている。このPerspectiveでは、数々のエピジェネティック過程の複雑性について、そして、中枢神経系疾患へのエピジェネティック過程の関与が現在どの程度証明されているのかについて論じる。また、中枢神経系におけるエピジェネティクスを標的とする薬理学的手法の有効性を示す前臨床的証拠とこうした手法に特有の課題についても検討する。さらに、こうした課題に取り組むためのエビデンスに基づくエピジェネティック治療の改良開発と薬理学的手法・行動療法の組み合わせによる戦略を示す。