Review Article

心血管疾患における一酸化窒素シグナル伝達を亢進させるための方法

Nature Reviews Drug Discovery 14, 9 doi: 10.1038/nrd4623

一酸化窒素(NO)は、心血管系と免疫系、中枢神経系における重要なシグナル伝達分子であり、健康時と疾患時のNOの生物学的利用能の調節の重要段階については詳しく解明されている。当初提案されたNOの生物学的利用能を治療によって調節する方法は臨床試験において有効性が認められなかったが、基本的な細胞内シグナル伝達の解明が進み、さまざまな新しい治療法が明らかになった。例えば、NO合成酵素の活性を高める新規経路、硝酸塩–亜硝酸塩–NO経路を増幅する方法、新しいクラスのNO供与薬、活性酸素種への作用によってNO代謝を抑制する薬物、下流のホスホジエステラーゼと可溶性グアニリルシクラーゼを調節する方法がある。本総説では、こうした最近の進展について心血管疾患に重点を置きつつ論じる。

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