Analysis
治療機序と適応の観点による創薬の実効性
Nature Reviews Drug Discovery 17, 1 doi: 10.1038/nrd.2017.194
近年、製薬産業の生産性に関する議論、特にかなり多額の研究開発費をかけても承認薬が得られないことに対する懸念をめぐる議論が広範に行われてきた。この生産性課題の分析にはさまざまなものがあったが、臨床試験の特定の段階での損耗率や新薬候補の物理化学的性質に着目していた。これに対して、治療機序とその本来の適応の選択という観点による製薬産業のパフォーマンスへの注目度は相対的に低かった。本論文は、この点で製薬産業が達成した成果を検討する。そのため、過去20年間の調査に基づく治療機序-適応の組み合わせに関する製薬産業全体の包括的なデータを分析する。今回の研究がもたらした知見は、製薬産業の生産性を把握し、向上させるために役立つと期待されるいくつかのポイントとトレンドを示している。例えば、製薬産業が大きな成功を収めた分野や大きく失敗した分野、既に完成したプロジェクトと継続中のプロジェクトの相対的新規性などである。