Review Article
コネキシンを標的とする治療法
Nature Reviews Drug Discovery 17, 12 doi: 10.1038/nrd.2018.138
コネキシンファミリーというチャネル形成タンパク質群は、人体のあらゆる種類の組織中に存在している。コネキシンは、ギャップ結合という構造を有する細胞間チャネルのクラスターを形成することで最もよく知られている。ギャップ結合は、隣接する細胞の間でメタボロームの構成要素を交換させる働きがある。コネキシンは、単一細胞膜上では半チャネル(ヘミチャネル)を形成し、自己分泌シグナル伝達とパラ分泌シグナル伝達において低分子が通過する経路として作用する。本論文では、健康時と疾患時のコネキシンの役割を概説し、コネキシンが、遺伝性疾患と後天性疾患だけでなく、創傷治癒において治療標的となる可能性を重点的に論じ、治療に関連する臨床上の課題を明確に示す。