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核酸センサーの薬理学的調節 — 治療法としての有効性とその開発を妨げ続ける要因

Nature Reviews Drug Discovery 18, 11 doi: 10.1038/s41573-019-0043-2

主にTLRファミリーとRLRファミリーのメンバーとcGAS–STINGシグナル伝達が関係する核酸センサーは、細胞と生命体の恒常性の維持に重要な役割を果たしている。そのため、核酸認識の調節解除は、感染症のみならず、心血管病態、自己免疫病態、腫瘍性病態などのさまざまな疾患の原因に寄与している。また、異常な核酸認識の正常化が、ロバストな治療効果を仲介することを示す証拠が積み上がってきている。しかし、核酸センサーを標的とする薬理作用物質、例えばSTINGアゴニストを用いることには数々の制約があり、薬物、標的、疾患、宿主などに関連した問題が含まれている。本総説では、この治療パラダイムの有効性を裏付ける前臨床データと臨床データを考察し、重大な制約とその克服に役立つ可能性のある方法を明示する。

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