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PI3K阻害薬の時代がいよいよ到来

Nature Reviews Drug Discovery 20, 10 doi: 10.1038/s41573-021-00300-7

ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼ(PI3K)は、がんや免疫調節不全において過剰に活性化しているため、治療用のPI3K阻害薬を開発するための広範な取り組みを促してきた。薬剤の忍容性が低いことや薬剤抵抗性などの問題によってその進展は妨げられてきたが、乳がん治療用のPI3Kαアイソフォーム選択的阻害薬のアルペリシブ、B細胞悪性腫瘍において白血球に豊富なPI3Kδを主な標的とする複数の阻害薬など、いくつかのPI3K阻害薬が現在承認されている。がん細胞内在性のPI3K活性を標的とすることに加えて、新たな証拠によって、がん免疫療法におけるPI3K阻害薬の可能性に注目が集まっている。本総説では、PI3KαおよびPI3Kδ阻害薬の臨床への橋渡しを後押しする重要な発見について概説し、得られた教訓と将来の機会を強調して述べる。

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