Perspective
ノンコーディングRNA治療薬 ― 課題と解決策の候補
Nature Reviews Drug Discovery 20, 8 doi: 10.1038/s41573-021-00219-z
マイクロRNA(miRNA)や長鎖非コードRNA(lncRNA)などの非コードRNA(ncRNA)の治療標的化は、がんをはじめとする多くの疾患の治療法として注目を集めている。過去10年間、主にアンチセンスオリゴヌクレオチドと低分子干渉RNAを使用するRNAベースの治療薬の臨床応用に向けて多大な努力が傾注され、そのうちの数点がFDAの認可を受けた。しかし、これまでのところ臨床試験では相反する結果が出ており、強力な作用があると報告したものがある一方で、有効性が限定的であることを示したものや毒性が認められるとしたものもある。これに代わる抗miRNAのような代替物質が臨床試験段階にあり、lncRNAベースの治療薬に対する関心が高まっている。本論文では、ncRNA治療薬が直面している主要な課題(特異性、送達性と忍容性に関連する問題など)を考察し、この治療薬の成功を高めることを目指す新しい有望な方法にも焦点を合わせる。