エフェロサイトーシスの過程の創薬：概念および機会

ヒトの体内でアポトーシスを起こした数十億個もの細胞を、エフェロサイトーシスという過程によって毎日除去することは、恒常性のために不可欠である。この継続的なエフェロサイトーシスを可能にするために、食細胞では表現型の急速な変化が起こって、これによって食細胞は、アポトーシスカーゴを飲み込んで消化することができるようになる。さらにエフェロサイトーシスは、能動的な抗炎症作用を示し、炎症消散を促進する。エフェロサイトーシスは、遍在性であり、細胞のターンオーバーの量が非常に多いため、脆弱性のある点ということになる。エフェロサイトーシスの異常は、アテローム性動脈硬化、がん、感染症などの多くの炎症性病態と関連している。近年、エフェロサイトーシスに関与する分子装置を明らかにした最近のエキサイティングな発見によって、治療介入への道が開かれ、現在、いくつかの薬剤が臨床試験の段階にある。