2020年6月号Volume 17 Number 6
中性子星の奇妙な核心に迫る
中性子星は、宇宙で最も謎めいた天体の1つだ。その核は超高密度で、直径20kmほどの球体の中に太陽2個分の質量が詰め込まれている。近年、さまざまな観測装置での研究が進み、多くの事実が明らかになろうとしている。中でも2017年に打ち上げられた中性子星内部組成観測装置NICERは、中性子星の質量と半径をこれまでで最も精密に測定し、2019年12月にその結果を発表した。
Editorial
News in Focus
人工知能を使ってマウスの表情を解読
マウスの表情を解読した神経科学者たちはさらに、特定の感情と相関して活動する神経回路も明らかにした。
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ロックダウンと動物を扱う研究者たちの苦渋の選択
殺処分かリリースか、それとも移転か。COVID-19対策の措置を受け、研究者たちは自らの研究と研究用の動物たちを守ろうと苦慮している。
FBIとの関係を深める米国の大学
米国の大学は、中国が研究成果を横取りしているという米国政府の姿勢に対応するため、FBIとの関係を強めている。
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コロナウイルスワクチンの開発レース
SARS-CoV-2に対するワクチンの開発が世界中の企業や大学で進められていて、それは90種類以上に及ぶ。中には、人体で使用されたことがあるがワクチンには使われたことがない技術を用いたものもある。少なくとも6つの研究チームがワクチン製剤の安全性試験でボランティアへの投与を開始し、他のチームも動物での試験を始めている。
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新型コロナウイルス研究注目の論文(3〜4月)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と、その感染症であるCOVID-19に関する文献をNature が精査し、主要な論文をまとめた(2020年3〜4月)。5月分はこちら。
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新型コロナウイルス研究注目の論文(5月)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と、その感染症であるCOVID-19に関する文献をNature が精査し、主要な論文をまとめた(2020年5月)。3〜4月分はこちら。
Nature およびNature 関連誌が 「プランS」に準拠して、オープンアクセス化へ
2021年以降、プランS参加機関からの資金を受ける研究者も、Nature およびNature 関連誌のほとんどで論文をオープンアクセス形式で出版できるようになると、シュプリンガー・ネイチャーが発表した。
Feature
中性子星の奇妙な核心に迫る
中性子星は宇宙で最も謎めいた天体の1つだが、近年、さまざまな観測装置を使った研究が進み、多くの事実が明らかになろうとしている。
World View
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パンデミックと女性研究者たち
研究者としての昇進を妨げる可能性のある「母親の壁」。これについて、ロックダウンでどのようなことが明らかになるのか。私はそれを知りたいと考えている。
Work
ピュリッツァー賞作家が伝授、読ませる論文の書き方
2人の研究者が、小説家コーマック・マッカーシーから学んだコツをお裾分けする。
Japanese Author
真核生物につながるアーキアの培養とゲノム解析に成功!
約20億年前に現れたとされる真核生物。海洋研究開発機構(JAMSTEC)の井町寛之氏と、産業技術総合研究所(AIST)のMasaru K. Nobu(延優)氏は、その誕生につながったとされるアスガルド類アーキアの培養を世界で初めて成功させ、完全長のゲノム配列も手に入れた。そこから、アーキアの生態と真核生物への進化について、驚くべき知見が複数もたらされた。
News & Views
ヒトの足のアーチ構造と剛性の進化
ヒトの足に剛性を付与している重要な構造は縦方向のアーチである、とこれまで考えられてきた。このほど、横方向のアーチがヒトの足の剛性の進化において中心的な役割を果たしてきたという研究結果が発表され、注目を集めている。
植物が過酸化水素シグナルを感知する仕組み
細胞表面で過酸化水素を検知するセンサーが発見され、植物細胞が環境ストレスを感知して応答する機構についての手掛かりが得られた。
38億年前の岩から見つかった地球の材料のヒント
地球を作った構成要素を地球の岩石から突き止めることは難しい。地球の材料は、地球の進化とともに混ざってしまっているからだ。古代の岩石の中から未知の構成要素の証拠が得られ、地球の材料についての理解が進んだ。
家禽類の祖先が示す現生鳥類の初期進化
ベルギーで、約6670万年前の新種の化石鳥類のほぼ完全な頭蓋が発見された。家禽類の祖先ともいえる独特な特徴を備えたこの化石は、現生鳥類の出現時期と多様化のタイミングを知る上で、これまでで最も優れた証拠となる。
News Scan
脳内の寄生虫
カナヘビの胚に侵入者発見。