2022年12月号Volume 19 Number 12

求められる性差分析、実現への壁

研究資金配分機関や出版社は、性差が果たす役割を考慮して研究をデザインすることを研究者に求めるようになった。再現性と厳密性を向上させるだけでなく、1つの性を調べていただけでは発見できない解決策や疑問が見つかるという大きな利点があるものの、複数の性を正しいやり方で研究に組み込むのは簡単ではない。

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日本の研究コミュニティーの課題とその解決策を探るため、シュプリンガー・ネイチャーは、アカデミアや助成金配分機関、メディアから有識者を招いた「ジャパンリサーチアドバイザリーフォーラム(JRAF)」を2022年8月2日に開催。初回は、「リサーチコミュニケーションの向上」に絡む2つの議題からその手掛かりを探った。

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Editorial

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Research Highlights

「ミツバチはどうやって精巧な巣を作るのか? 」「鳥とコウモリはチョコ好きの友 」「心臓を拍動させる細胞を照らし出す色素 」「糖分の多い食事は肥満と闘う腸内細菌を不利にする」、他。

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News in Focus

ホワイトハウスは研究資金を配分する連邦機関に対し、連邦政府から助成を受けた研究については2026年以降、出版と同時に無料で読めるようにすることを要請した。

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Feature

実験において性差が果たす役割を考慮するよう研究者に要請する研究資金配分機関や出版社が増えている。この要請に対しては異論もあり、適切に対応するのは容易ではない。

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Japanese Author

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近年、大規模なヒトゲノム研究から、医療や創薬にとって有用な情報が得られ始めている。このような研究を進めるには、大量のヒトゲノムデータを解析する必要があり、それを可能にしているのが、遺伝統計学である。遺伝統計学とは何か、遺伝情報からどんなことが分かるのか? 日本の遺伝統計学を牽引する、岡田随象・東京大学大学院教授に話を聞いた。

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News & Views

チャドで発見されたヒト族の脚の骨1本と腕の骨2本は、700万年ほど前、ヒトとチンパンジーの系統が分かれた頃に、初期のヒト族が二足歩行性でありながら木登りもできたことを示唆している。

刺胞動物の起源は、化石記録に空白があるため長く謎に包まれてきた。今回、待望のエディアカラ紀の刺胞動物の化石が発見され、この動物群の初期進化の重要な特徴が明らかになった。

2種類の薬剤の併用により、ラパマイシン標的タンパク質複合体1(TORC1)と呼ばれる タンパク質複合体の活性を脳でのみ阻害し、体組織では阻害しないようにすることが可能になった。これを脳腫瘍のマウスに適用すると、全身毒性を回避しながら治療することができた。

体内の褐色脂肪はエネルギーを熱に変換する。今回、死にゆく褐色脂肪から放出されたイノシン分子が、近傍の褐色脂肪細胞の熱産生を誘導することが報告された。これは肥満と闘う方法を示している可能性がある。

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Advances

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Where I Work

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Doreen Aneneは、ノッティンガム大学(英国)の動物科学者、STEM Belle設立者、2019年度「Nature Research Innovating Women in Science」受賞者。

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