注目の論文
新たに考案された質量センサーを金原子で検証する
Nature Nanotechnology
2008年7月21日
Gold standard
ナノチューブを使って、分子の質量を定量するためのメカニカルセンサーが考案されたことを報告する論文が、Nature Nanotechnology(電子版)に掲載される。今回考案されたデバイスは、既存の数多くの質量分析計とは異なり、定量対象の分子を損傷しない。論文著者は、1つの金原子を定量することで、この新型センサーの検証を行っている。
金原子の質量は3.25×10 ?25キログラムで、1キロの金には約3×10 24個の金原子が含まれている。今回、K Jensenらが使用した二層カーボンナノチューブは、金原子の約7,000倍の重さで、直径わずか2ナノメートル、長さ254ナノメートルである。
このナノチューブの一方を電極と接続し、もう一方は固定せず、自由に振動する超小型の飛び板のようにした。ナノチューブに原子やその他何らかの物体が付着すると、固有振動数が、この物体の質量に比例した量だけ変化するので、物体の定量ができるのである。
doi: 10.1038/nnano.2008.200
注目の論文
-
7月11日
古代ゲノミクス:疫病に襲われた新石器時代の農民たちNature
-
7月10日
バイオテクノロジー: 培養肉の風味を改善するNature Communications
-
7月9日
ウイルス学:牛H5N1インフルエンザの感染と伝播Nature
-
7月4日
創薬:オピオイドの作用を逆転させる新しい化合物Nature
-
5月14日
バイオテクノロジー:乳ベースのゲルによってマウスのアルコールレベルが低下Nature Nanotechnology
-
4月4日
化学:生命の化学的起源がどのように形成されたかという謎の解明に向けた熱い流れNature