Review 非免疫グロブリンドメインから新たな結合タンパク質を作製する 2005年10月1日 Nature Biotechnology 23, 10 doi: 10.1038/nbt1127 適応免疫系のすべてが特異的な認識分子の基盤として免疫グロブリンフォールドを利用しているわけではない。たとえばウミヤツメは、ロイシンに富む反復タンパク質を基盤とする適応免疫系を発達させている。また、特異的で親和性の高い相互作用を媒介するタンパク質は、適応免疫に関与するもの以外にも多数ある。免疫グロブリンに代わるそのようなタンパク質は、研究および臨床への応用を目的に新たな結合分子を設計するときの出発点として魅力的である。事実、特に合成抗体ライブラリーの研究がもたらしたライブラリーの設計および選択技術に関する進歩および経験の蓄積により、オーダーメイドの親和性試薬としてこうした新たな足場が現在多数利用されている。特異的結合分子を創出する基礎科学のみならず、実験手順、プロテオミクス、診断、および治療に適した結合分子の応用にも大きな進展がみられる。このような新たなタンパク質に関しては、単に免疫グロブリンの代替物となるだけでなく、従来技術的に不可能と考えられてきた方法を実現するような用途を見出すことが今後の課題であり、それによって各タンパク質の分子特性に相応の治療的応用法が明確化される。 Full text PDF 目次へ戻る