Article ナノワイヤセンサーアレイによるがんマーカーの電気的多重検出 2005年10月1日 Nature Biotechnology 23, 10 doi: 10.1038/nbt1138 がんマーカーに関する高感度で標識不要の電気的多重検出法を紹介する。この方法では、特有のナノワイヤおよび表面受容体をアレイ状に集積したシリコンナノワイヤ電界効果デバイスを用いている。タンパク質マーカーはフェムトモルの濃度で選択性高く繰り返し検出され、対照のナノワイヤを同時に組み込むことで偽陽性の識別が可能となった。ナノワイヤアレイでは、前立腺特異抗原(PSA)、PSA-α1-アンチキモトリプシン、癌胎児性抗原、ムチン-1に関して選択性および感度に優れた多重検出が可能であり、未希釈血清検体で少なくとも0.9 pg/mlを検出することができた。また、核酸の受容体を使用すると、わずか10個の腫瘍細胞に由来する非増幅抽出物でテロメラーゼの結合、活性、および小分子阻害をリアルタイムに測定することが可能であった。臨床的意味をもつ試料でタンパク質マーカーおよびテロメラーゼ活性に関する高感度で選択性の高いリアルタイム多重監視が可能となったことで、がんをはじめとする複雑な疾患の診断および治療の可能性は大きく広がることとなる。 Full text PDF 目次へ戻る