Article

免疫グロブリンGのFc領域を操作してin vivoの抗体量を調節する

Nature Biotechnology 23, 10 doi: 10.1038/nbt1143

ヒト免疫グロブリンG（IgG）のFc領域を操作することにより、in vivoで内因性IgGの濃度を調節する変異抗体を作製した。これはIgGサルベージ機能で生体内IgG濃度の維持および制御を行うFc受容体FcRnの活性を標的にして実現された。Fc領域を操作してFcRnとの結合に関する親和性を向上させpH依存性を低下させたIgGは、FcRn-IgG相互作用を強力に阻害し、マウスのIgG量を急速に低下させることが示された。このようなFcRn遮断薬（IgGの分解を促進する抗体Abdeg）は、抗体が媒介する疾病でのIgG量の抑制、およびIgGと毒素または薬物との複合体の迅速な除去の誘導に利用可能と考えられる。

目次へ戻る

ネイチャーの人気コンテンツ

  1. 遠方のサブミリ波で明るい銀河のバルジの形成
  2. 複数の量子プロセッサーを古典的に接続した量子コンピューター
  3. 二次元ヒルベルト空間の断片化
  4. 鳥のように飛び立てるロボット
  5. 非常に似通った高分子を互いに分離する
  6. 骨移植用の新たな競合材料
  7. 遷移金属触媒を用いない求電子剤カップリング
  8. 熱帯林は大きな自然再生能力を秘めている
  9. ジュラ紀までさかのぼったオタマジャクシの起源
  10. C4光合成を可能にした分子進化
advertisement
プライバシーマーク制度