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1型糖尿病を制御する移植療法用のヒトβ細胞株

Nature Biotechnology 23, 10 doi: 10.1038/nbt1145

ヒト膵β細胞株で初代β細胞と機能的に同等なものはこれまでなかった。レトロウイルスベクターを用いた初代ヒトβ細胞のトランスフェクションで可逆性不死化ヒトβ細胞クローン(NAKT-15)を確立した。このベクターではシミアンウイルス40ラージT抗原(SV40T)およびヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)のcDNAが一対のloxP組換え標的で挟まれおり、SV40TおよびTERTはCre組換え酵素で削除することができる。復帰したNAKT-15細胞は、β細胞転写因子(Isl-1、Pax 6、Nkx 6.1、Pdx-1)、プロホルモン転換酵素1/3および2に加え、分泌顆粒タンパク質を発現し、正常なヒト膵島と同じくグルコースに反応してインスリンを分泌した。ストレプトゾトシンで糖尿病を誘発した重症複合免疫不全マウスにNAKT-15細胞を移植したところ2週間で血糖が完全に制御されるようになり、マウスの血糖値は30週間以上にわたって正常に維持された。この細胞株の確立は移植による糖尿病治療の実現に向けた一歩である。

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