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ハマダラカのトランスジェニック雌雄鑑別系統による媒介虫防除

Nature Biotechnology 23, 11 doi: 10.1038/nbt1152

ヒトマラリアを媒介する種類のカの遺伝子操作は、虫媒疾患の防除を目的とした遺伝子導入技術を実現するための前提条件である。本論文では、アジアの主要なヒトマラリア媒介虫であるハマダラカAnopheles stephensiでトランスジェニック雌雄鑑別系統を開発したことを示す。β2チューブリンプロモーターの制御下で強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)を発現する雄は、性腺の発する蛍光で3齢幼虫期に早くも見分けられ、手作業でも自動選別装置でも効率的に雌と分離することができる。重要なのは、β2-EGFP雄の生殖能力が低下しておらず、トランスジェニック雄と交尾した野生型雌の受精嚢でも生きた蛍光精子が検出される点である。本論文に示すカのトランスジェニック系統は、遺伝子組換えの方法論をマラリア防除計画に安全に応用するうえで望まれる特徴および必要な特徴を多数兼ね備えている。

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