Article マウスES細胞のdefinitive内胚葉およびvisceral内胚葉への分化の誘導および監視 2005年12月1日 Nature Biotechnology 23, 12 doi: 10.1038/nbt1167 胚性幹(ES)細胞から特定の細胞系統を高い純度で得るためには、選択的な培養条件および分化を導いて監視するためのマーカーの双方が必要である。本研究では、グースコイド(Gsc)遺伝子座にgfpマーカー遺伝子、Sox17遺伝子座にヒトIL2Rα(CD25とも呼ばれる)マーカー遺伝子をもつマウスES細胞株を用いてdefinitive内胚葉とvisceral内胚葉とを識別した。この細胞株により、Gsc+Sox17+のdefinitive内胚葉とGsc-Sox17+のvisceral内胚葉の発生が監視され、definitive内胚葉およびvisceral内胚葉をそれぞれ誘導する培養条件を定めることができた。definitive内胚葉およびvisceral内胚葉の遺伝子発現プロファイルを比較することにより、両内胚葉系で発現状況の異なる表面分子7個が特定された。この7マーカーのうちのひとつでモノクローナル抗体が利用可能なCxcr4を用いることにより、definitive内胚葉を選択する培養条件で、遺伝子操作をしていないES細胞からGsc+細胞群を監視して精製することができた。 Full text PDF 目次へ戻る