Letter 質量分析のブラインド検索による翻訳後修飾の同定 2005年12月1日 Nature Biotechnology 23, 12 doi: 10.1038/nbt1168 タンデム質量分析法(MS/MS)のデータベースを検索するアルゴリズムには、一握りの翻訳後修飾(PTM)のみを考慮してほかはすべて無視するという限定的な検索を実行するものが多い。本論文では、非限定的なPTM検索アルゴリズムである「MSアラインメント」を紹介する。これは、ブラインドモードで、すなわちどのようなPTMが実際に存在するかが未知のまま、あらゆるPTMを一度に検索する方法である。プロテオミクスではさまざまなPTMの範囲および頻度を研究することが依然として課題であるが、ブラインドモードでのPTM同定はこれを解決するものである。これまでに、この方法を水晶体タンパク質に応用することにより、ヒトのクリスタリンに関しては最大のPTMセットが得られた。さまざまなMS/MSデータセットに関する今回の分析は、修飾という生物学的現象が思いのほか広範囲にわたることを示唆している。本論文では、実験的検証を進める価値のある未解明の修飾がMSアラインメントで明らかにされることも示す。 Full text PDF 目次へ戻る