Article オキサジン誘導体をプローブに用いた近赤外線撮像によるアミロイドβ蓄積のin vivoでの検出 2005年5月1日 Nature Biotechnology 23, 5 doi: 10.1038/nbt1085 アルツハイマー病の原因にはアミロイドβペプチドの不溶性凝集体の形成が関わっていることから、アミロイド斑の形成をin vivoで直接非侵襲的に可視化する方法があれば生物医学研究に有益と考えられる。本論文で紹介するのは、血液脳関門を容易に通過してアミロイド斑に結合する近赤外蛍光物質であるオキサジン色素AOI987の合成および特性解析である。近赤外線蛍光撮像を利用すると、APP23組換えマウスではAOI987とアミロイド斑との特異的な相互作用がin vivoで表示され、これは脳切片の剖検で確認された。定量分析ではマウスのアミロイド斑が大きいほど蛍光シグナル強度が高まることが示され、9ヶ月齢以上のAPP23組換えマウスでAOI987の著明な結合が観察された。このように、AOI987はアルツハイマー病の動物モデルで非侵襲的に疾患の進行を監視し、アルツハイマー病治療薬の候補物質がアミロイド斑量に及ぼす効果を評価するためのプローブとして有望である。 Full text PDF 目次へ戻る