Article 2Aペプチドによる治療用濃度での安定的抗体発現 2005年5月1日 Nature Biotechnology 23, 5 doi: 10.1038/nbt1087 治療用モノクローナル抗体(mAb)ががんなどの治療用に開発されつつある。臨床的成果は挙げられているものの、mAb療法の対象を広げるには生産能力が障害となる可能性がある。本論文に示すmAb送達システムでは、遺伝子導入によって高濃度の全長抗体をin vivoで継続的に生産させることができる。このmAbは重鎖と軽鎖とが口蹄疫ウイルス由来の2A自己切断ペプチドで接続されており、単一のオープンリーディングフレームから発現される。この発現システムを用い、本研究ではVEGFR2を中和するmAbであるDC101をコードする組換え型アデノ随伴ウイルスベクター(rAAV8-DC101)を作製した。rAAV8-DC101を単回投与したマウスでは、1,000 オg/mlを超えるDC101が長期発現し、著明な抗腫瘍効果が裏づけられた。本論文に示したのは、mAbを治療用濃度で安定的に送達することができる遺伝子療法として最初のものであり、mAbの直接注射に代わる有望な方法となる可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る