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果実特異的RNAiによるDET1の抑制でトマトのカロテノイドおよびフラボノイド含有量を増強する

Nature Biotechnology 23, 7 doi: 10.1038/nbt1108

トマトはカロテノイドおよびフラボノイドを多く含む食材として主要なものである。両栄養素はヒトの健康にきわめて有益である。トマトで生合成酵素または転写因子をコードする遺伝子を過剰発現させると、カロテノイドまたはフラボノイドの一方のみ含有量を増大させることはできたが、両者を同時に増加させることはできなかった。本研究では、果実特異的プロモーターとRNA干渉(RNAi)技術とを併用して内因性光形態形成制御遺伝子DET1を抑制することによってトマト果実の栄養価向上を目指した。組換え体で果実のDET1転写物が特異的に分解されていることは分子分析で確認された。カロテノイドもフラボノイドも含有量が有意に増加したが、果実の品質に関わるこれ以外の要素に大きな変化はなかった。今回の結果は、植物の制御遺伝子をひとつ操作すれば別々の生合成経路で生成する複数の植物栄養素の産生量が同時に変化する場合があることを裏づけるものであり、器官特異的遺伝子サイレンシングを用いた農産物の栄養価向上の新たな一例となる。

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